9月17日(金曜日)、22日(水曜日)、29日(水曜日)、山形県東根市立大富中学校において空手道体験授業を行いました。昨年、武道推奨モデルの一貫として同校1年生を対象に体験授業を実施しており、生徒へアンケートを行った結果、高評価を得たことで同校から再び山形県空手道連盟へ依頼があり2度目の実施に至りました。
指導に当たっては緑川寿幸・山形県空手道連盟普及指導委員長、加藤葵・山形県空手道連盟強化委員の2名が担当しました。2名は昨年も体験授業に携わっており、限られた時間の中で工夫が必要なこと、コロナ感染予防対策も講じて実施しなければいけないことなどを考慮し、内容について当日まで検討しながら授業案を作成しました。
また、大富中学校の担当教諭と生徒たちがみんなで楽しみ、体験してよかったと感じてもらえるよう、中学校生活の思い出の1ページになる体験授業を行うため、学校の先生方と授業内容に関する打ち合わせを繰り返し行いました。
学習内容は以下のように行いました。
- 9月17日(金) オリエンテーション、礼法、基本、護身術、新聞紙割、模範演武
- 9月22日(水) 実技習得:礼法、立ち方、基本動作(受け、突き、蹴りなど)
- 9月29日(水) 実技習得による実技評価
2日目に実施した「ゆっくりした動作の形演武と通常の速さでの形演武」を担当教諭が動画撮影して、GIGAスクール構想で学校へ配備されたタブレット端末を活用し、個々に復習用として視聴できるようにしてくれていたようです。最新のICTによって、学習環境が大きく変化していることと、それらを生徒たちが活用して効果的に学習を進めていることに感心しました。
また、最終日はグループでの実技試験となったことで、生徒たちが互いに助け合い、士気を高め合い、協調し実施されていたことへの達成感を感じてもらえたものと思います。日を重ねるごとに生徒たちの姿が変わってくることが見られたことを嬉しく思うとともに、体験授業を通じ、指導を行った私たちの方が多くのことを学ばせて頂いたと感じました。
3回の体験授業終了時、生徒たちからは「東京オリンピックでの空手の採用で益々空手道に興味を持った」「グループで行う形を見て動作がそろうとすごくかっこいい。時間があればもっと練習したい」「形はすべて受けから始まるとのことで“空手に先手なし”という言葉が理解できた」といった感想があり、空手道をもっと体験したいとの意気を感じ取ることができました。
学校の先生方からは「次は本番でも使えるような形や組手にも挑戦させたい」「1・2年も含め全学年へも展開したい」「必修科目へ繋げていきたい」「他校へも推奨したい」といった感想があり、既に先を見据えた考えとイメージをされているようでした。
今回の体験授業を通じて、空手道がオリンピックで採用されたこと、またメディアに取り上げられる機会が増えたことで、多くの方々に中学校武道授業に適していると認識されつつあることを感じました。今後多くの中学校で空手道が武道必修科目として選択され、継続されることを願うとともに、我々もその一翼を担っていくことを決意新たにするものであります。
(山形県空手道連盟普及指導委員長 緑川寿幸)